1.プロジェクトの組成
■事務局の設置
本マニュアルでは、プロジェクト方式で経営戦略策定を行います。はじめに行うのはプロジェクト事務局の設置です。このプロジェクトは経営の基盤となる戦略上位概念を策定するので、社長やCEOなどトップマネジメントが主導する形態にします。よって、経営企画部や社長室などトップマネジメントのスタッフ部門を事務局としてください。事務局の主な仕事は以下のとおりです。
・プロジェクトメンバーの選定
・資料作成およびデータの収集
・プロジェクトミーティングの時間と場所の確保
・プロジェクトミーティングの司会・議事進行
・議事録の作成
■プロジェクトメンバーの選定
次に、プロジェクトメンバーの選定を行います。メンバーは事務局が選定してトップマネジメントが承認する形がよいでしょう。社長やCEOなどの経営トップおよび主要部門の長は必ずメンバーに入れて下さい。
メンバー数は事務局を除いて10人程度、多くても15人ぐらいまでにしてください。必要に応じてプロジェクトの下にサブプロジェクトを設置してもかまいません。
2.プロジェクトの進め方
■スケジュールについて
「企業理念」〜「ビジョン」を策定するのに、それぞれ20時間〜30時間(除く事前作業時間)を必要とします。散発的にプロジェクトを開催していると膨大な日数がかかってしまうので、下表のように項目ごとに1〜2泊程度の合宿を行い、集中的に実施することをお勧めします。
項目 |
必要時間 |
合宿日数 |
企業理念策定 |
24時間 |
1泊2日 |
コア・コンピタンス明確化&事業ドメイン設定 |
42時間 |
2泊3日 |
ビジョン策定 |
24時間 |
1泊2日 |
※「コア・コンピタンス」と「事業ドメイン」は密接な関係があるため、同時に実施してください。
■司会・議事進行について
プロジェクトミーティングの司会・議事進行は大変重要な役割になります。スケジュールに遅れが出ないよう計画的に議事を進めていくことはもちろんですが、最も重要な仕事は、プロジェクトメンバー全員の納得度、満足度を高めることにあります。
社長など経営トップが参加するプロジェクトでは他のメンバーが遠慮して自由な発言ができなくなることがよくあります。これを放置してプロジェクトを進めると特定の個人だけの意見が結論となり、その他のメンバー全員が納得していないという状況に陥ってしまいます。
こうなると、その戦略はすでに失敗していると言えます。仮に実行しても良い結果が出ることはありません。実際、戦略失敗の原因が策定プロセスの過ちにあることはよくあることなのです。
それでは、どうすればメンバー全員の納得度、満足度を高めることができるのでしょうか。色々な手法がありますが、以下の方法が効果的です・・・
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