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概要説明コンパニオン
厳密に言うと、企業理念と経営理念には違いがあります・・・
コンサルタントの手法による経営戦略策定マニュアル

− 企業理念の策定 その1 −

1.企業理念と経営理念 
2.企業理念の重要性


1.企業理念と経営理念

一般的に「企業理念」と「経営理念」は同じ意味で使用されることが多いようですが、厳密に言うと両者には違いがあります。

■経営理念とは

経営理念とは、経営者の経営信条を表すもので、多くの場合創業者によって定められます。経営者はどのような価値観に基づいて会社経営を行うべきかを示しているため、社員よりも経営者に向けた内容になります。社是は日本企業の伝統的な経営理念です。

京セラの社是および経営理念
【社是】
“敬天愛人”
常に公明正大謙虚な心で仕事にあたり、天を敬い、人を愛し、仕事を愛し、会社を愛し、国を愛する心

【経営理念】
全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、 人類、社会の進歩発展に貢献すること


■企業理念とは

これに対して、企業理念とは経営者の価値観である経営理念を企業全体の価値観へ進化させたものです。経営者のみならず全社員が共有化し、会社におけるあらゆる意思決定や行動の基準となる考え方を示すものです。

京セラの経営思想
社会との共生。世界との共生。自然との共生。
共に生きる(LIVING TOGETHER)ことをすべての企業活動の基本に置き、豊かな調和をめざす。

このように経営理念は経営者の価値観を、企業理念は企業全体の価値観を表現するものと定義されます。なお、本マニュアルで策定するのは企業理念です。



2.企業理念の重要性

■企業理念の重要性

企業理念の重要性は「エクセレント・カンパニー」をはじめ多くのビジネス書の中で紹介されているので詳しくは説明しませんが、ひとことで言えば以下のとおりです。

優良企業は例外なく経営者から末端社員まで共通の価値観(企業理念)が浸透しており、全社員がそれに基づいて行動している。

つまり、企業理念(価値観)が浸透していることが優良企業の条件ということです。


■企業理念はお題目か?

ただし、実際に企業理念が全社員に浸透している会社はほとんどありません。多くの会社では企業理念は単なるお題目で、せいぜい額に入れて壁に掲げるか朝礼で唱和する程度です。そもそも多くの経営者は企業理念と合致した行動をしていないので、社内に浸透するはずがありません。

また、社員も志望動機では「企業理念が優れているから」と言いながらも、入社してしまうとほとんど意識しなくなります。特に年功序列や終身雇用が崩壊し成果主義が広まっている昨今、社員の会社への忠誠心は薄れてきているので、企業理念がますます軽視される環境になっています。


■企業理念は世間が注目している

ところが、それに反して世間では企業理念の重要性が一段と高まっています。これは以前よりも増して企業の倫理観や社会性が大きく問われるようになったことによります。ここ数年、企業は利益を上げるだけはなく、環境保護、社会貢献、法令遵守、ガバナンスなど社会的公正性や倫理面における責任を果たすことを強く求められるようになってきました。それができない企業は存続できない環境になりつつあります。

以前、「人の心はカネで買える」と公言していたIT企業のオーナー社長がいましたが、その社長は逮捕され、会社も上場廃止になりました。これは、その社長の誤った価値観に対する世間の断罪です。

このように、世間は企業に対して健全な価値観を持つことを強く求めています。そのため企業の価値観を表す企業理念の重要性が一層高まっているのです。


■企業理念を社内で浸透させる方法

よって、本末転倒ですが企業理念は社内よりも社外(ステークホルダー)を意識して作ることが大事です。そして、社内に浸透させるのではなく、社外に向けて徹底的にPRしてください。その結果、世間であなたの会社が「企業理念を大事にしている会社」という評判ができれば、間違いなく社内でも企業理念が意識されるようになってきます。その方が朝礼で唱和したり、壁に掲げたりするよりもはるかに効果的です。


■企業理念は変えてもいいのか?

企業理念は創業者の価値観が反映されているため変えるべきではないと言われています。確かに、企業理念は安易に変更すべきものではありません。ただし会社の成長や事業環境の変化により企業理念が会社の経営戦略と乖離してしまうこともあるでしょう。その際は、変えることに躊躇する必要はありません。むしろ、企業理念と戦略のギャップをそのままにすることのほうがはるかに問題です。


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