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HOME > 戦略編トップ > 戦略戦略ツール集トップ > DCF法による起業価値の計算 その3
概要説明コンパニオン
未上場企業でもWACCの算出は可能です・・・
− DCF法による企業価値の計算 その3 −




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■未上場企業のWACC算出方法

WACCの計算方法は上場企業でも未上場企業でも同じです。前ページのWACC計算式を参照してください。

ただし未上場企業には株式の時価が無いため、WACC計算式のパラメーターである株主資本時価(株式の時価総額)と株主資本コスト(株の期待収益率)の計算に必要な株式のベータ値の算出ができません。

よって、これらを推定する必要があります。推定方法は色々ありますが、ここでは以下の方法で行います。

株主資本時価
・類似業種の有利子負債と株主資本時価の平均比率を使用する。

株式のベータ値
・類似業種の平均ベータ値を使用する
・類似業種の平均アンレバード・ベータ値から推定する


(1)株主資本時価(株式時価総額)の推定

WACCの計算に必要なのは株主資本時価の金額ではなく、株主資本時価と有利子負債額の比率です。よって、株式を上場している類似業種企業の有利子負債と株主資本時価の平均比率を求め、それを自社の比率としてWACCの計算に使用します。


@自社の類似業種の上場企業を数社選択します。


A各社の有利子負債額と株主資本時価(株式時価総額)を求めます。有利子負債額は有価証券報告書に記載されています。株式時価総額はヤフーファイナンスMSNマネーで入手してください。

有利子負債額 株主資本時価
A社 30億円 100億円
B社 10億円 90億円
C社 70億円 140億円



B有利子負債額と株主資本時価(株式時価総額)の平均比率を算出し、自社の比率とします。



有利子負債額 株主資本時価
A社 30億円 100億円
B社 10億円 90億円
C社 70億円 140億円
110億円 330億円


有利子負債額 : 株主資本時価 = 1 : 3

この比率の数値を、WACC計算の有利子負債額と株主資本時価に使用します。



(2)株式ベータ値の推定

未上場企業が自社株式のベータ値を推定するには、「類似業種の平均ベータ値を使用する方法」と「類似業種の平均アンレバード・ベータ値から推定する方法」の2つがあるので、両方を説明します。

【類似業種の平均ベータ値を使用する方法】

類似業種の平均ベータ値を自社株式のベータ値に代用する方法です。類似業種各社のベータ値を用意し、平均値を算出します。ベータ値の求め方は前ページの株式ベータ値の求め方を参照してください。



ベータ値
A社      1.6
B社 1.2
C社 1.8


平均値 = (1.6 + 1.2 + 1.8)/3 = 1.53
これを自社株式のベータ値とします。




【類似業種の平均アンレバード・ベータ値から推定する方法】

アンレバート・ベータ値とは、資本構成が100%株主資本と仮定した場合のベータ値のことです。

ベータ値は大きく分けると、「事業リスク」と「財務リスク」の二つの要因で決定されます。事業リスクとは事業特性や営業レバレッジ(総コストに占める固定費の割合)によるリスクで、業種が同じならば、ほぼ同じであると考えられます。一方の財務リスクとは財務レバレッジ(有利子負債と株主資本の構成比率)によるリスクで、業種が同じでも資本構成によって異なります。

そこで、事業リスクだけのベータ値で業種平均を求め、それに個別の財務リスクを付加すれば、未上場企業や事業部単位でもベータ値を推定することが可能になります。その事業リスクだけのベータ値が、アンレバード・ベータ値です。なお、アンレバード・ベータに対して財務リスクも含む通常のベータをレバード・ベータといいます。

未上場企業が自社株式のベータ値を推定する際は、類似業種企業のレバード・ベータ値をアンレバード・ベータ値に変換して平均値を求め、それに自社の財務リスクを付加して計算します。具体的な方法は以下のとおりです。


@自社の類似業種上場企業ベータ値(レバードベータ)を用意します。ベータ値の求め方は前ページの株式ベータ値の求め方を参照してください。



ベータ値(レバード・ベータ)
A社      1.6
B社 1.2
C社 1.8



A各社のレバード・ベータ値をアンレバード・ベータ値に変換します。変換式は以下のとおりです。

【レバード・ベータのアンレバード・ベータ変換式】



アンレバード・ベータ値


レバード・ベータ値

1+(1−実効税率) × 有利子負債額

株主資本時価


各社の有利子負債額、株主資本時価および実効税率を下表のとおりとすると、アンレバード・ベータ値は以下のようになります。



有利子負債額 株主資本時価 実効税率 アンレバード・ベータ値
A社 30億円 100億円 40% 1.36
B社 10億円 90億円 40% 1.13
C社 70億円 140億円 40% 1.38


B各社のアンレバー・ドベータの平均値を求めます。これが類似業種の平均アンレバー・ドベータ値になります。


類似業種の平均アンレバー・ドベータ値=

 (1.36 + 1.13 + 1.38)/ 3 = 1.29


C類似業種のアンレバード・ベータ平均値に自社の財務リスクを加味して自社のレバード・ベータ値を算出します。自社の財務リスクとは自社の資本構成、つまり有利子負債と株主資本の構成比率のことです。

具体的には下記の「アンレバード・ベータのレバード・ベータ変換式」に、自社の有利子負債額と株主資本時価の比率を入力して計算します。入力する比率は、「(1)株主資本時価(株式時価総額)の推定」で算出した数値を使用してください。

【アンレバード・ベータのレバード・ベータ変換式】

レバード・ベータ値=


アンレバード・ベータ値 


1−実効税率) × 有利子
負債額
株主資
本時価
×
株主資本時価



・類似業種のアンレバード・ベータ値 : 1.29
・実効税率 : 40%
・有利子負債額と株主資本時価の比率=1 : 3

とすると、自社のレバード・ベータ値は以下のようになります。


自社のレバード・ベータ値=


(1−0.4)×1+3
1.29 ×
=1.55


これを自社株式のベータ値とします。


2つの推定方法による値の違いは下表のとおりです。



推定方法 ベータ値
類似業種の平均ベータ値 1.50
類似業種のアンレバード・ベータ平均値からの推定 1.55



(3)株主資本コスト(株式の期待収益率)の算出

ベータ値が推定できたら、株式の株主資本コスト(株式の期待収益率)を算出します。計算方法は上場企業と同じなので、前ページの株主資本コスト(株式の期待収益率)の計算式を参照してください。

 ・リスクフリーレート:1.5%
 ・自社株式のベータ値:1.6
 ・株式市場全体の期待収益率:6.0%

とすれば、株主資本コスト(株式の期待収益率)は以下のようになります。


株主資本コスト(株式の期待収益率)=

1.5%+1.6×(6.0%−1.5%)=8.7%



(4)WACCの算出

必要なパラメーターがすべてそろったら、WACCを算出します。計算方法は上場企業と同じなので、前ページのWACCの計算式を参照してください。

 ・有利子負債額と株主資本時価(時価総額)の比率 = 1 : 3
 ・負債資本コスト(負債利子率):4.5%
 ・株主資本コスト(株式の期待収益率):8.7%
 ・実効税率:40%

とすれば、WACCは以下のようになります。

WACC=



 ×  4.5%×(1−0.4)
1 + 3



 ×  8.7%
1 + 3


7.2%


以上で未上場企業のWACC算出は終了です。

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