1.最適業務プロセスとは
■最適業務プロセスの構築とは
第2章では現状業務の切り捨て・削減による効率化を実施しましたが、ここには、業務プロセスのあるべき姿が描かれていません。このあるべき姿が最適業務プロセスです。
最適業務プロセスも業務の効率化ですが、切り捨て・削減による効率化とはアプローチが異なります。業務の切り捨て・削減は現状をベースにした改善・改革活動ですが最適業務プロセスは、ゼロベースで考える変革活動です。つまり、現状の業務プロセスを否定し、新しい業務プロセスへそっくり入れ替えることを行うわけです。
■「最適業務プロセスの構築」と「現状業務の効率化」の関係
それでは、第2章の「現状業務の効率化」と本章の「最適業務プロセスの構築」の二つの業務効率化をどのように考えればいいのでしょうか?
最適業務プロセスの構築はゼロベースから新しい仕組みを作るので、大きな労力と時間が必要とします。現状の業務プロセスをいきなり最適業務プロセスに移行しようとしても上手くいくことはありません。
そのため、切り捨て・削減による効率化を実施し、効果を創出しながら、最適業務プロセスの構築を並列的に進めることが必要になります。よって、第2章の「現状業務の効率化」と本章の「最適業務プロセスの構築」は同時進行するのが最良な方法となります。
2.最適業務プロセスの構築方法
業務効率化のプロセスは以下のとおりです。なお、所要時間は集中して行った場合の目処(事前作業を除く)として考えてください。
ステップ5 |
最適業務プロセス移行の
実行計画策定 |
8時間 |
@ステップ1は、全社のバリューチェーンを確認します。
Aステップ2は、部門別のバリューチェーンを把握し、レイヤー単位のコストを分析します。
Bステップ3は、業務を付加価値と効率のマトリックスで分析します。
Cステップ4は、バリューチェーン分析およびポートフォリオ分析の結果を参考にして、最適業務プロセスを作成します。
Dステップ5は、最適業務プロセス移行への実行計画を策定します。
■ステップ1 全社バリューチェーンの確認
バリューチェーンとは、企業のプロセス全体を、製品・サービスが顧客に届くまでの一連の価値(Value)の連鎖(Chain)として捉えるフレームワークです。提唱者であるハーバード大学教授のマイケル・E・ポーターによれば・・・
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